大人の発達障害について

このページを読まれている方は、「もしかして自分は発達障害ではないか?」と自己診断をして病院を受診した方が良いか悩まれていたり、大切なパートナーや上司から発達障害ではないか?と疑われ受診を促されていたり、家族や職場の部下など大切な方が発達障害的特性を持っていてどのように付き合っていけばいいかと悩まれている支援者の方もいるのではないでしょうか。

目次

大人の発達障害とは

発達障害は子どもの頃から認められるものであり、大人になって急に発病するものではありません。障害の特性が強い方は幼少期の頃に分かり、療育や治療支援を受けています。しかし先天的なその特性については個人差があります。症状や特性が軽かったり、育つ環境の中で様々な刺激や体験、他者との関わりを通してその方なりの発達をしていきます。周囲から受け入れられる環境に恵まれていたり、特性をカバーする力を身につけていたり、人によっては個性や生き方の一部として活躍されている方もいるでしょう。一方で、大人になり10代の頃と比べ複雑で変化に富んだ環境の中で躓き、不調を来してしまう方もいます。組織の中で課題を期限内にクリアしないといけない、複数の業務に優先順位をつけながら並行して取り組まないといけない、状況や場面に応じた役割の調整やコミュニケーションが必要となる、相手の立場や気持ちを汲んだ年相応の社会的対応を求めれられたりするような中で疲れやすくなります。また、パートナーと出会い対人関係が深まる中で、コミュニケーションのズレや行動面での不協和音に戸惑い、どちらかが悩みくたびれてしまうこともあるようです。

大人の発達障害の特徴 

発達障害特性のある方は、外的刺激や情報の入力に偏りがあるとも言われます。見えている世界やそれらの体験の仕方が少し違っているとも考えられています。環境変化に反応しやすく、環境によってその特性の現れ方が異なる事も多いのです。つまり大人の発達障害は、幼少期からその傾向があるものの目立たずにやり過ごせていたのですが、成長の過程で環境変化に見舞われ、その環境に適応が難しくなり発達障害としてその特性が現れて見えるのです。

大人の発達障害の診療 

今置かれている環境の中で不適応状態となり、場合によっては2次障害と呼ばれる精神疾患やその状況の中では不適切な対処行動などを伴い精神科を受診する方もいれば、その手前で自己診断され受診する方もいます。また中にはパートナーに促され渋々受診される方もいます。

支援の開始を前提として診断を行っていきますが、診断としては子どもと同様にこれまでの発達歴を調べながら、複数筋からの情報を集め、問診と診察を重ね、心理検査なども行い診断をすすめていきます。

大人の場合は診断が難しい場合も多く、発達歴を辿れなかったり、成長過程でカバーする力を身に着けており、子どもほどはっきりしないケースもあるのです。コミュニケーションや不注意・衝動性の症状は疾患に特異的ではなく(つまり正常や他の精神疾患でも認められます)、加えて発達障害の中には自閉症スペクトラムのように正常と異常のはっきりとした境がないものもあり、診断がつかない時もあるのです。

診断が気になる方もいると思いますが、診断よりも今ある困り事に焦点を当て、診断はつかずとも評価や状態判断をもとに発達障害としての治療や援助を展開させていく方がよい場合もあります。2次障害を治療しつつ、発達障害の特性理解やその付き合い方を一緒に考えていきます。診断に加えて治療にも時間が必要となります。

治療や支援を効果的に進めるためには、本人の事を理解して受け入れてくれる存在がとても大事です。家族や大切な援助者の理解を深め、連携をとっていく事が必要となる場合もあります。
また、環境への適応不全が解除されると何事も無かったかよのように症状が消失する方もいます。

しかしライフステージに応じて環境変化の中でしんどくなる事も稀ではありません。難儀な社会の中でやりくりするために、困った時に立ち寄れる場所、くたびれた時に安心して相談出来る関係、ピンチの時の脱出道具や知識と情報に対処スキルなど、自分の生きるを助けるツールを少しでも多く身近に作っていく事も大切だと考えられます。診療所もそのような場所であり関係であり、支援の1つであると考えて良いかと思います。

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