OD悪化に伴う心理社会的機序

OD1
(出典:小児起立性調節障害 診断・治療ガイドライン2011)

起立性調節障害の診断・ガイドラインにもあるように、元々の自律神経機能の働きにおいての脆弱性があり思春期前後で強い葛藤を引き起こすようなストレスが持続すると、自律神経の機能不全が起こります。その病態の中にODが含まれており、身体の循環調整が上手くいかなくなります。外見は元気そうに見えて、加えてODの病態の特徴である午前中を中心とした不調や心理的ストレスで病状が変動しやすさもあり、周囲の方が適切にODの病態と本人のしんどさを理解しにくく、誤解が生まれやすいのです。加えて病院で「特に問題ない」「心理的なもの」と診断されてしまうと、親は「気持ちの問題!」「怠けているだけ!」「夜更かししているから朝が起きれないんだ!」と判断して無理にでも登校させようとしてしまいます。これが本人にとっての嫌悪刺激に発展してしまい、余計に病状を悪化させてしまう事があります。学校側の対応としてもODの学校生活面での配慮を欠いた強い指導になってしまうと、学校への信頼関係が揺らぐことになります。加えて、ODの影響で生活リズムが不規則になり、更に自律神経不全が強化され登校が困難になってしまう場合があります。学習面の遅れや友人関係が希薄になり孤立感が強まり、自尊感情が損なわれてしまい、二次的に不登校に陥るケースもあります。多くのお子さんは過度の頑張り屋さんの場合が多く、学校生活の挫折から養育者(母親が多い)に依存して甘えたくなる気持ちが強くなります。そんな状態に本人も母親も葛藤が強まり、ストレスを抱えてしまい、「どうしたらいいのか?」と、状況把握や対応について分からなくなることもしばしばあります。

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