レビー小体型認知症について

アルツハイマー型認知症に次いで頻度の高い認知症です。1980年代以降に提唱された、比較的新しい疾患です。イメージとしては、アルツハイマー型認知症とパーキンソン病を混ぜたような疾患でしょうか。発症と進行はゆっくりであり、アルツハイマー型認知症と鑑別が難しいケースもあります。特徴はいくつかあり、病初期には記憶障害が目立たず、抑うつなどの精神症状が当初目立つケースもあります。また注意障害、構成障害、視空間障害、遂行機能障害などが早くから現れたりします。アルツハイマー型認知症と大きく異る点は、認知機能が著しく変動することです。状態の良いときは認知症を疑うほどしっかりしているのですが、悪いときは急激に進んだように思われます。1日のうちでも、また数日間でも変動し、短期的に良くなったり悪くなったりしながら、長期的にはゆっくり進行していきます。
他にも、鮮明で生々しい幻視(存在しないものが見える)、床の模様がヘビや水が流れているよう見える錯視、夫を父と間違うといった誤認妄想などが病初期が見られることもあります。また身体の動きが鈍くなるパーキンソン症候を伴うこともあったり、睡眠障害や便秘などの自律神経の障害が目立ちます。発症数年前から、夜間睡眠時に大声を挙げたり、激しい体動を示すレム睡眠行動障害や臭いを感じにくくなる嗅覚低下などを前駆症状として認めたりもします。さらに、精神科の薬以外の多くの薬に対して過敏性があり、身長に薬物療法を行う必要が出来きます。
治療としては、アルツハイマー型認知症で使う薬の一部に適応があり、進行を抑制し自立的な暮らしを出来るだけ長く続けられるように援助していきます。また精神症状が強く出てしまい、薬物治療が必要となることもありますが、過敏性もあり慎重に行うことが必要となります。お薬以外のケアについては、認知機能の変動に合わせて実地することが重要で、状態が良い時にはリハビリなどが出来ますが、状態が悪い時には転倒に注意しながら見守りがいつも以上に必要となります。

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